715_シオリ
ふくらんで 山迫りくる 若葉かな 橋本幸子(梅林同人)
JR横浜線相原駅はのんびりとした佇まいの中を若者が降りて行きます。法政、家政大、造形大の学生が行き交っています。横浜線に沿って八王子方面に向かうと、御殿峠へつながる多摩丘陵の北西部になり、町田と八王子の境界の尾根になっています。町田側は相原緑地として都が保護していますが、八王子側は丘陵を切り崩して住宅地になっています。 丘陵手前の畑は陽田谷戸で、国分寺の瓦を焼いた窯跡が在った場所です。横浜線相原トンネルを造る時、偶然発見されましたが、工事を急ぐあまり、埋め戻されてしまいました。今は、その痕跡を見る事は出来ません。 豆柿の大木を左に巻いて進んで行くと、右手に緩やかな登道が、最近、MWAが利用してしている一番楽な登道です。若葉の中を5,6分程、登ると尾根道に辿り着きます。深山幽谷に踏み込んだ様な気分ですが、ちょっと足を伸ばすと丘陵は切り崩されて住宅地が出現します。鶯の声を聞きながら、緩やかな尾根を登り下りしながら、大鷹が生息している森を通り抜けて、鎌倉古道に出ます。相原中央公園は野外遊びが楽しめる自然公園です八王子方面から続いている鎌倉古道は、相原で境川沿いの道と繋がり、江ノ島へ通じています。古色然たる落葉の積もった鎌倉古道を歩いて往時を偲びます。相原ゴルフ場の脇から法政大に入り、下り坂の途中に、隠蔽送信所跡が在ります。ここから、ポツダム宣言受諾を送信しました。 法政大学の野球、テニス等の合宿所が在り、広い構内を連絡するバスが走っています。市民活動にも協力的で、長年の間、便利に利用させてもらっています。正面の丘陵の中には、起伏に富んだジョギングコースが在ります。道探しで八王子を歩いている途中で、偶然迷い込んで見付けたコースです。大学では一般に公開していないので、ほとんどの方は知りません。毎回、許可を取り、利用させてもらっています。木立の中を整備された土の道が続いています。 八王子市館町清掃工場から正面の山に入ります。ここから雨降り山に向かいます。三年前に歩いた時に杉の伐採が始まっていましたが、こんな大規模だとは思いませんでした。外材に押され、山林の維持が難しい昨今、他人事とは言え、いささか心配になります。昔、雨乞いをした雨降り山でグリーン2デー2日目は終りになります。町田市は美しい緑に恵まれた市です。こんな素晴らしい自然を子、孫の代まで残したいと思って微力ながら活動を続けています。今、至る所で開発が進んでいます。是非、一緒に活動しましょう。 次会は5月19日(木)「防人の道」です。一級河川鶴見川源流の丘陵の東側(多摩市)を歩きます。多摩市を2回に分けて回遊します。団地を建設するため、一帯を掘り起こして造り上げたので、東京では一番多くの遺跡が見つかっています。団地が出来る前は、古道が縦横に通じていて楽しい場所でした。そんな昔を知っているので、余計に郷愁が募るのではないでしょうか。お疲れ様でした。次会も元気で笑顔のあなたとご一緒出来る事を楽しみにしております。 村田淳郎
多摩丘陵 若葉、青葉 萌える草木は 生きとし 生ける物に 安らぎと 勇気を 授け 明日へ命を つないだに 違いない 村田淳郎